介護支援専門員受講試験の概況 |
最終更新 2016 年12 月10 日
介護支援専門員の仕事は,介護が必要な高齢者等の生活状況を観察して,生活する上での「困った」「○○したい」という事柄(生活課題)を分析し,その生活課題を解決してくれる「社会資源」を適切に利用できるように支援することです。
ケアマネジメントサービスを提供するには,利用者を適切にアセスメントできる能力や豊富な社会資源の知識が必要です。また,高齢者に起こりやすい疾病や関連制度などの知識が求められます。その能力が試されるのが,介護支援専門員実務研修試験です。
試験にはトレンドというものがあります。ここでは,参考になりそうなトレンドについて説明しておきましょう。
1 介護支援専門員実務研修受講試験の合格状況 |
受験者は増加傾向にあるが,第3 回から第7 回まで安定して30%を保っていた合格率は,第8 回は25.6%,第9 回は20.5%と落ち込み,第14回はついに20%を大きく割り込み15.3%になってしまいました。以降20%を超えることなく経過しています。「2 人に1 人」の広き門だった状況から「6〜7 人に1 人」の狭き門になっていると言えます。
【過去の試験の合格状況】
|
受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
第1回(1998) |
207,080 |
91,269 |
44.1% |
第2 回(1999) |
165,117 |
68,090 |
41.2% |
第3 回(2000) |
128,153 |
43,854 |
34.2% |
第4 回(2001) |
92,735 |
32,560 |
35.1% |
第5 回(2002) |
96,207 |
29,508 |
30.7% |
第6 回(2003) |
112,961 |
34,634 |
30.7% |
第7 回(2004) |
124,791 |
37,781 |
30.3% |
第8 回(2005) |
136,030 |
34,813 |
25.6% |
第9 回(2006) |
138,262 |
28,391 |
20.5% |
第10 回(2007) |
139,006 |
31,758 |
22.8% |
第11 回(2008) |
133,072 |
28,992 |
21.8% |
第12 回(2009) |
140,277 |
29,485 |
21.0% |
第13 回(2010) |
139,959 |
28,703 |
20.5% |
第14 回(2011) |
145,529 |
22,332 |
15.3% |
第15 回(2012) |
146,586 |
27,905 |
19.0% |
第16 回(2013) |
144,397 |
22,331 |
15.5% |
第17 回(2014) |
174,974 |
33,539 |
19.2% |
第18 回(2015) |
134,539 |
20,924 |
15.6% |
第19 回(2016) |
121,854 |
16,006 |
13.1% |
2 介護支援専門員実務研修受講試験の内容 |
本試験は合計60 問を120 分で解く試験(5 肢複択方式)です。第18回(2015年)試験からは職種による免除問題はなくなり,全員が60問解答することが求められています。本試験は問題を大きく2 つの分野に区分しています。問題1〜25の25問は「介護支援分野」とよばれ,問題26〜60の35問は「保健医療福祉サービス分野」とよばれます。なお,「保健医療福祉サービス分野」は問題26〜45の保健医療サービス分野20問と,問題46〜60の福祉サービス分野15問を併せたものです。
試験時間は120分ですから,1問あたり2分で解答することになります。点字受験者は,上記時間の1.5 倍,弱視受験者は,1.3 倍の時間になります。
3 介護支援専門員実務研修受講試験の合格基準 |
問題を「介護支援分野」と「保健医療福祉サービス分野」の2 つの分野に区分して,その両分野とも合格基準の得点以上であれば「合格」です。
合格基準にはいわゆる総得点は無関係です。よく「60 問中45 問正解でした」なんていう受験者がおられますが,まったくナンセンスです。例えば,この人が介護支援分野10 点,保健医療・福祉分野が満点の35 点であったとしたら,介護支援分野の合格基準を満たしていないため,たとえ総合得点で75%正解であったとしても「不合格」です。なお,ある年に保健医療福祉サービス分野は合格だったので,次の年は介護支援分野だけ受ければよい,というわけにはいきません。試験のたびに両分野とも解答しなければいけません。
各問題は5 肢2 択または5 肢3 択のマルチプル・チョイスの形式で出題されます。例えば「正しいものを2 つ選べ」という問題ならば,2 つの正しい選択肢を選んで初めてその問題が正解となります。1 つは正しい選択肢を選んだけれどももう1 つは誤りであったという場合には,その問題は正解とはなりません(0.5 点とカウントされるわけではありません)。
4 合格基準の変遷 |
【第7回から第19回までの合格基準点】
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介護支援分野(25点満点) |
保健医療福祉分野(35点満点) |
第7 回(2004) |
17点 |
24点 |
第8 回(2005) |
16点 |
22点 |
第9 回(2006) |
17点 |
25点 |
第10 回(2007) |
17点 |
23点 |
第11 回(2008) |
15点 |
25点 |
第12 回(2009) |
15点 |
20点 |
第13 回(2010) |
14点 |
25点 |
第14 回(2011) |
15点 |
23点 |
第15 回(2012) |
15点 |
22点 |
第16 回(2013) |
15点 |
26点 |
第17 回(2014) |
14点 |
25点 |
第18 回(2015) |
13点 |
25点 |
第19 回(2016) |
13点 |
22点 |
*第17回以前は「免除分野なし」の合格点を記載
*第8 回保健医療分野には1 問不適切問題があったため,採点から除外された。